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墓じまいとは——流れ、費用の目安、お寺への切り出し方、やる前に家族と決めておくこと

墓じまいは「お墓をなくす」ことではなく、「遺骨の置き場所を変える」手続きです。先に決めるのは移し先。次に親族とお寺。工事は最後です。順番を守れば、思ったより静かに進みます。

森に囲まれた山の墓地、古い墓石が並ぶ段々の区画

2026.10.03 文・川崎 誠

先日のお墓の集まりで、合祀と並んで多く出た言葉が「墓じまい」でした。「いずれ考えないと」と思いながら、何から手をつけるか分からない。費用はいくらか。お寺にどう言えばいいか。

この記事では、墓じまいの流れと費用、手続き、お寺への切り出し方、そして「本当に墓じまいが答えか」を考える材料をまとめました。

墓じまいとは

いまのお墓を撤去して更地に戻し、墓地の管理者に区画を返すことです。中の遺骨は、別の場所(合祀墓、永代供養墓、納骨堂、樹木葬、別のお墓、手元供養など)へ移します。この「移す」部分が法律上の「改葬」です。

つまり墓じまいは、工事と改葬の二つでできています。工事だけでは終わらず、遺骨の行き先を先に決める必要があります。

全体の流れ

①家族・親族と話す。②遺骨の移し先を決めて契約し、「受入証明書(使用許可証)」をもらう。③いまの墓地の管理者(お寺・霊園・自治体)に墓じまいの意思を伝え、「埋蔵証明書」をもらう。④いまの墓地がある市区町村に「改葬許可申請」を出し、改葬許可証をもらう。⑤石材店に撤去の見積もりを取り、日程を決める。⑥閉眼供養(魂抜き)をして、遺骨を取り出す。⑦墓石を撤去して更地に戻し、管理者に返す。⑧移し先に納骨する。

期間は、親族の話し合いが済んでいれば2〜3か月、話し合いから始めると半年から1年を見ておくと無理がありません。

費用の目安

撤去工事:1㎡あたり10万〜15万円が目安で、一般的な2〜3㎡のお墓で20万〜50万円。山の上や車が入れない墓地は、運搬の手間で高くなります。

閉眼供養のお布施:3万〜10万円。

離檀料(お寺の墓地で檀家を離れるとき):法律上の決まりはなく、相場は5万〜20万円。「これまでのお礼」として渡すものです。高額を求められた場合は、宗派の本山や行政の相談窓口に相談できます。

改葬先の費用:合祀墓なら3万〜30万円、永代供養墓や納骨堂なら30万〜100万円前後。

合計すると、合祀墓へ移す一番シンプルな形で30万〜80万円、永代供養墓や納骨堂に移すなら60万〜150万円あたりが一つの目安です。石材店の見積もりは必ず2社以上から。

お寺への切り出し方

一番もめやすいのがここです。コツは、決定事項として通告しないこと。「こういう事情で、将来お墓を守れそうにありません。どうしたらよいか相談させてください」と、相談の形で切り出します。

事情(遠方、継ぐ人がいない、高齢で通えない)を正直に話し、これまでの供養への感謝を先に伝える。お寺によっては、同じ寺の永代供養墓や合祀墓を紹介してくれ、それが一番穏やかな着地になることも多いです。

電話より、できれば一度お参りを兼ねて直接。遠方なら手紙を先に送ってから電話、という順番が丁寧です。

親族とは、工事の前ではなく最初に

お墓は名義人の判断で墓じまいできますが、お参りに来ていた親族が「聞いていない」となると、関係が壊れます。

話す相手は、親のきょうだい、いとこ、本家の方、そしてそのお墓に入っている方の近い親族。伝えるのは、理由、移し先、費用の負担、時期の4つ。費用を分担してもらえることもあります。

反対されたら、急がないことです。「誰かが通える間は残す」「〇年後に見直す」という結論もあります。

墓じまいの前に、ほかの道はないか

墓じまいを考える理由が「遠くて行けない」だけなら、お墓を残したまま続ける形もあります。年に一度は自分で行く、近くの親戚に頼む、代わりに行く人に頼んでビデオ通話でお参りする。

「継ぐ人がいない」なら、墓じまいか永代供養が現実的です。ただ、いまのお墓に永代供養をつけられる墓地もあります(管理者に確認)。

費用や手間だけで見れば墓じまいが身軽ですが、戻せない決断です。「行けない」と「守れない」を分けて考えて、本当に守れないと分かってからで遅くありません。

つなぐのお参りでは

つなぐは広島県内のお墓へ伺い、清掃とお供えをしたうえで、ビデオ通話でご家族とご一緒にお参りする会社です。墓じまいの手続きや工事は行いませんが、「決めるまでの数年、お墓を荒らさず保ちたい」「墓じまいの前に、最後にもう一度きちんとお参りしたい」というときに、お使いいただけます。親族に現状を見せるための写真が要るときも、お参りのご報告がその役目を果たします。

よくある質問

問:改葬許可は誰が申請しますか。——答:お墓の名義人(使用者)です。名義人が亡くなっていれば、先に承継の手続きが要ります。

問:遺骨を自宅に置いてもいいですか。——答:手元供養として自宅に置くことは法律上問題ありません。ただし自宅の庭に埋めることはできません。

問:離檀料を払わないといけませんか。——答:法律上の義務はありません。ただ、これまでの供養へのお礼として常識的な範囲で渡すのが円満です。

まとめ

墓じまいは工事と改葬の二つ。順番は、親族→移し先→お寺→役所→石材店→閉眼供養→撤去→納骨。費用は合祀墓へなら30万〜80万円、永代供養墓へなら60万〜150万円が目安。お寺には相談の形で、親族には最初に。「行けない」と「守れない」を分けて、守れないと分かってから決める。

墓じまいは終わりではなく、供養の形を次の世代に合わせて組み替えることです。急がず、順番どおりに。

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