
2026.09.30 文・川崎 誠
久しぶりにお墓参りに行ったら、花立てにひびが入っていた。水鉢が少しずれている。香炉の屋根が欠けている。台風のあとや、冬を越したあとに気づくことが多い「小さな壊れ」です。
この記事では、お墓の部品が壊れたときに、自分で直せるもの、石材店に頼むもの、その頼み方と費用の目安をまとめました。
お墓の部品の名前
花立て:お花を挿す左右一対の筒。石の花立ての中に、取り外せる金属や樹脂の筒(落とし)が入っていることが多いです。
水鉢:中央のくぼみのある石。水を供えるところです。
香炉:お線香を寝かせて焚く、屋根つきの石。ふたや屋根の部分が欠けやすいところです。
ろうそく立て:ろうそくを立てる小さな部品。金属製で、さびて折れることがあります。
このほか、外柵(周りを囲む石)、拝石(手を合わせる場所の板石)、玉砂利などがあります。
自分で直せるもの
花立ての中の筒(落とし)の交換。さびて穴があいた、底が抜けた、というときは、ホームセンターや仏具店、ネットで数百円から2千円ほどで買えます。直径と深さを測って合うものを。ステンレス製が長持ちします。
ろうそく立ての交換。ねじ込み式や差し込み式で、これも仏具店やネットで千円前後。古いものが固着していれば、無理に回さず石材店へ。
軽いずれの戻し。水鉢や香炉が数センチずれているだけなら、二人で持ち上げて元の位置に戻せます。ただし重い石を一人で動かすのは腰を痛めるので、無理はしない。
細かなひび止め。石材用の補修材(エポキシ系)が市販されていますが、見た目が残りやすく、雨で剥がれることもあります。応急処置と割り切ってください。
石材店に頼むもの
石が割れた、欠けた。特に花立ての石そのものや香炉の屋根が割れた場合は、部品ごと作り直しになります。
墓石全体や外柵の傾き、ずれ。地盤や目地の問題なので、素人が触ると悪化します。
目地(石と石のつなぎ目)の割れや剥がれ。ここから水が入ると、冬の凍結で割れが広がります。
文字の彫り直し、字の色入れ、墓誌の追加彫り。これも石材店の仕事です。
費用の目安
あくまで目安で、石の種類や墓地の場所(車が入れるか、山の上か)で大きく変わります。
花立て(石)の作り直し:一対で3万〜8万円。香炉の交換:5万〜15万円。水鉢の交換:3万〜8万円。目地の補修:1万〜3万円。傾きの直し(据え直し):10万円から、規模によっては数十万円。
見積もりは無料のところが多いので、必ず2社に聞きます。「写真を送って概算を出してもらう」だけでも、相場感がつかめます。
石材店の探し方と頼み方
お寺の墓地なら、まず住職に「出入りの石材店」を聞きます。その墓地の石や地盤を知っている店が一番確実です。民営霊園なら管理事務所が指定業者を持っていることがあります。
公営墓地や地域の共同墓地なら、墓石の裏や側面に建てた石材店の名前が彫ってあることがあります。同じ店に頼むと、石の種類が合わせやすいです。
頼むときは、壊れた部分の写真(全体と寄り)、墓地の名前と区画、いつごろまでに直したいか、を伝えます。遠方からでも、写真とメールや電話でほとんど話が進みます。
工事のときに立ち会えないことを先に伝えておけば、完成写真を送ってもらえます。
放っておくとどうなるか
小さなひびは、水が入って冬に凍ると広がります。一年放置すると、補修で済んだものが交換になることがあります。
ずれた石は、次の地震や台風で落ちることがあります。落ちた先が隣のお墓だと、弁償の話になります。
見つけた日に写真を撮り、その場で直せなければ、次のお参りまでの間に石材店へ相談する。それだけで、大きな出費を防げます。
つなぐのお参りでは
つなぐは広島県内のお墓へ伺い、清掃とお供えをしたうえで、ビデオ通話でご家族とご一緒にお参りする会社です。伺ったときに花立てや香炉の傷み、石のずれに気づいた場合は、写真に撮って「お参りのご報告」でお伝えします。修理そのものは石材店の仕事なので行いませんが、「どこが、どのくらい」が分かる写真があれば、遠方からの見積もり依頼がそのまま進められます。
よくある質問
問:花立ての筒だけ替えるのに、石材店に頼む必要はありますか。——答:ありません。サイズが合うものを買って差し替えるだけです。
問:修理の前にお寺にお経は要りますか。——答:部品の交換や補修なら通常は不要です。墓石を動かす大きな工事では、魂抜き(閉眼供養)をする家もあります。お寺の墓地なら住職に一言。
問:遠方で立ち会えません。——答:写真での見積もりと、完成写真の送付で対応してくれる石材店がほとんどです。最初にその旨を伝えてください。
まとめ
筒・ろうそく立て・軽いずれは自分で。石の割れ・傾き・目地・彫りは石材店へ。費用は花立て一対3〜8万、香炉5〜15万、目地1〜3万が目安で、必ず2社に見積もり。石材店は住職か管理事務所か、墓石に彫られた店名から。放置は悪化するので、見つけた日に写真だけは撮る。
壊れは、お墓からの「そろそろ見に来て」の合図です。直す前に、まず気づけたことを良しとしてください。