
2026.09.11 文・川崎 誠
お盆に行ったときはきれいだったのに、お彼岸の前に見に行ったら、敷地の砂利の間から草が伸びていた。夏の雨と日差しで、お墓の草はひと月で背丈が変わります。
この記事では、お墓の草取りのやり方と、除草剤や防草シートを使う前に知っておきたいことをまとめました。墓石そのものの洗い方は「お墓の掃除のやり方」、苔は「お墓の苔の落とし方」の記事に書いています。ここは足元の話です。
草取りに向く日と時間
向いているのは、雨の翌日か、朝露で土が湿っている朝です。土が湿っていると根が抜けやすく、乾いていると茎だけ切れて根が残ります。残った根からは、二週間ほどでまた芽が出ます。
時間は朝の涼しいうちに。お墓は日陰が少なく、九月でも昼は暑さがこもります。一時間を目安に、それ以上は別の日に分けてください。
準備する道具
軍手、草取り用の小さな鎌かねじり鎌、根を掘り起こすための細いスコップか草抜きの道具、ゴミ袋、膝をつくための厚手のシートか折りたたみの座布団。これで足ります。
砂利敷きのお墓では、砂利をよける小さな熊手があると、下の土に生えた草の根元まで手が届きます。
草を取る順番——奥から手前へ、根元をつかんで
一つ目は、敷地の奥から手前へ。手前から始めると、取った草を踏みながら奥へ進むことになります。奥の角から始めて、出口へ向かって下がるように進みます。
二つ目は、根元をつかんで、まっすぐゆっくり引くこと。葉や茎の途中を持って引くと、そこで切れます。根元を親指と人差し指でつかみ、土に対して垂直に、ゆっくり力をかけます。
三つ目は、抜けない草は掘ること。タンポポやスギナのように根が深い草は、引いても切れるだけです。細いスコップを根の横に差し込んで土をゆるめてから抜きます。
四つ目は、砂利の下を見ること。砂利の上に見えている草は一部で、根は砂利の下の土にあります。熊手で砂利を寄せ、土の面で根元を確認してから抜き、終わったら砂利を戻します。
五つ目は、墓石の際と目地の草。石と石のすき間に生えた草は、無理に引くと目地を傷めます。地面に近いところで鎌で切り、根は残す判断でも構いません。ここは掃除のたびに切るところです。
取った草の始末
抜いた草は、墓地に置いていかず持ち帰るのが基本です。墓地によってはゴミ置き場が決まっていることもあるので、管理者の案内に従ってください。
種のついた草をその場に落とすと、翌年の草が増えます。袋に入れるときは、種の部分を下にして、こぼさないように。
除草剤を使う前に知っておきたいこと
除草剤には、葉にかけて枯らすものと、土にまいて生えにくくするものがあります。どちらも、墓石にかからないように使うことが第一です。薬剤が石にかかると、種類によっては変色やしみの原因になります。
隣のお墓に流れないように。雨の前にまくと、雨水と一緒に隣の区画へ流れます。晴れが続く日を選び、風のない時間に、地面に近いところからまきます。
そして、墓地の決まりを確認すること。除草剤の使用を禁じている墓地や、お寺の境内では使えない場合があります。管理者に一言聞いてから使うのが安全です。
防草シートと砂利について
草取りの回数を減らす方法として、土の上に防草シートを敷き、その上に砂利をのせる形があります。効果は大きいですが、敷くときに一度、敷地の草を根から全部取り除く必要があります。
シートは日光で傷むので、砂利で完全に覆うこと。端が見えていると、そこから草が入ります。墓石の周りは石にシートを密着させず、少しすき間を残して、水はけを妨げないようにします。
施工は自分でもできますが、区画の広さや墓地の決まりによっては、石材店に頼んだ方が確実です。
つなぐのお参りでは、草取りも含めて清掃しています
つなぐは広島県内のお墓へ伺い、清掃とお供えをしたうえで、ビデオ通話でご家族とご一緒にお参りする会社です。清掃には敷地の草取りと落ち葉の片づけが含まれていて、お彼岸の前にまとめて整えることもできます。前と後の写真は「お参りのご報告」でお届けします。山の斜面や、足元の悪いお墓のご相談も承っています。
よくある質問
問:草取りはどのくらいの頻度で必要ですか。——答:春から秋は月に一度が理想ですが、難しければお彼岸とお盆の前の年二回でも、根から抜いていれば保てます。冬は草の勢いが弱く、年一回の様子見で十分です。
問:熱湯や塩をまいてもいいですか。——答:おすすめしません。塩は土に残って隣の区画や植栽に影響し、墓石にも良くありません。熱湯は石を傷める原因になります。
問:草取りだけを頼めますか。——答:つなぐのお参りには清掃が含まれているので、草取りだけでのご依頼という形ではありません。お彼岸前に草取りと掃除をして、お参りまでご一緒する形でご相談ください。
まとめ
お墓の草取りは、湿った日の朝に、奥から手前へ、根元をつかんでゆっくり抜く。深い根は掘り、砂利の下を見て、目地の草は切る。取った草は持ち帰る。除草剤は墓石と隣の区画にかからないように、墓地の決まりを確かめてから。
足元が整うと、お墓は見違えます。お彼岸の朝、その前に立つ人の気持ちも、少し軽くなります。