
2026.09.21 文・川崎 誠
「お墓参りって、年に何回行くのが普通なんですか」。遠くに住んでいて年に一度しか帰れない方、逆に近くに住んでいて毎月行っている方、どちらからも同じ質問を受けます。
この記事では、一般的にお墓参りをする時期と、回数の考え方、行けない年があるときの気持ちの持ち方をまとめました。宗派や地域、家ごとの習わしがある部分なので、「うちはこうする」を決める材料として読んでください。
決まった回数はない
まず、仏教にも神道にも「年に何回お墓参りをしなさい」という決まりはありません。回数で功徳が決まるという教えもありません。
お墓参りは、故人やご先祖を思い、手を合わせに行く行為です。行きたいときに行く、行けるときに行く。それが本来の形で、回数は結果としてついてくるものです。
ただ、目安がないと決めにくいのも事実です。次に、多くの家が節目にしている時期をまとめます。
一般的にお参りする時期
お盆(8月13〜16日ごろ、地域により7月)。ご先祖が帰ってくる期間とされ、一年で最もお墓参りが多い時期です。
春と秋のお彼岸(春分・秋分の日を中日とする前後7日間)。あの世とこの世が近づく期間とされ、お墓参りの習慣が根づいています。2026年の秋は9月20日から26日です。
命日と月命日。故人が亡くなった月日が祥月命日、毎月の同じ日が月命日です。祥月命日にお参りする家は多く、月命日は近くに住んでいる方が中心です。
年末年始。年の終わりに一年の報告と掃除に行き、年明けに新年の挨拶に行く家もあります。
この四つを全部やると年に5〜6回。お盆とお彼岸2回で年3回。お盆だけなら年1回。どれも「普通」の範囲です。
地域と家で違う
広島では、お盆にお墓へ盆灯籠を立てる習慣があり、お盆のお参りは特に大事にされています。一方で、お彼岸のお参りは家によって温度差があります。
浄土真宗が多い地域では、お墓参りそのものを「故人のため」ではなく「自分が仏縁に触れる場」と捉えるので、回数にこだわらない考え方が強いです。
実家の習わしが分からないときは、親や親戚に「うちはいつ行ってた?」と聞くのが一番早く、それ自体が家の話をするきっかけになります。
行けない年があっても問題ない
遠方、仕事、体調、子育て、介護。行けない理由はいくらでもあります。行けなかった年があるからといって、ご先祖が怒るという考え方は、仏教の教えにはありません。
行けないときにできることもあります。自宅の仏壇や写真に手を合わせる。お寺に供養をお願いする。家族の誰かに代わりに行ってもらう。お墓参りをご一緒する会社に頼み、ビデオ通話で手を合わせる。どれも「行かなかった」のではなく「別の形で参った」です。
申し訳なさを抱えたままにするより、できる形を一つ選ぶ方が、故人にも自分にもよいと思います。
回数を決めるなら、現実から
目安を決めたいなら、理想からではなく現実から決めるのがおすすめです。「年3回行きたい」と決めて2回しか行けないと、毎年1回分の負い目が残ります。「年1回は必ず、行けたら追加」と決めれば、1回行けば達成で、2回目は嬉しい上乗せになります。
近くに住んでいるなら、月命日や「通りかかったら寄る」を足せます。遠くに住んでいるなら、お盆かお彼岸のどちらか一つを「必ずの回」にして、あとは帰省の都合に合わせる形が続けやすいです。
お墓の草や汚れは、放っておくと半年で目立ちます。お参りの回数とは別に、年に1〜2回は掃除が入る形にしておくと、久しぶりに行ったときに気持ちよくお参りできます。
つなぐのお参りでは
つなぐは広島県内のお墓へ伺い、清掃とお供えをしたうえで、ビデオ通話でご家族とご一緒にお参りする会社です。年に1回のご依頼も、お盆とお彼岸の年3回も、どちらもお受けしています。年3回(春彼岸・お盆・秋彼岸)を決めて任せていただく「年間の見守り」もあり、遠くにいても、お墓が荒れる前に手が入る形にできます。
よくある質問
問:年に1回しか行けません。少なすぎますか。——答:少なくありません。年1回でも、行っている家は多くありません。行けている、というのはそれだけで十分です。
問:命日とお彼岸が近いとき、両方行くべきですか。——答:どちらか一回で構いません。一度のお参りで「命日のお参りも兼ねて」と手を合わせれば足ります。
問:お墓参りに行く日を避けた方がいい日はありますか。——答:仏教上の「行ってはいけない日」はありません。友引や仏滅も、お墓参りには関係ありません。
まとめ
回数に決まりはない。一般的な時期はお盆、春秋のお彼岸、命日、年末年始。年1回でも年5回でも、どれも普通の範囲。行けない年があっても問題なく、別の形で参る手がある。決めるなら理想からでなく現実から。
「何回行くか」より「行こうと思った気持ちを、どんな形でも一度は形にすること」。それがあれば、回数は自然についてきます。