
2026.10.16 文・川崎 誠
「親戚にお墓の掃除を頼むとき」「お墓参りを頼むときの費用」と、頼む話は二つ書きました。今日は、頼む相手が誰であっても共通する「先に伝えること」です。私たちがお客様に最初にお聞きしていることでもあります。
①お墓の場所と、区画の見つけ方
墓地の名前と住所だけでは、お墓にたどり着けないことがよくあります。伝えるのは、墓地の名前、住所、駐車場の場所、入口からの道順(「本堂の左の階段を上って3段目の右から4番目」)、目印(大きな木、水道、隣のお墓の家名)。
いちばん確かなのは、お墓の写真と、入口から撮った道順の写真です。スマホの地図でお墓の位置にピンを立てて送る方法もあります。「実家のお墓がどこにあるか分からない」の記事に、場所の調べ方を書きました。
②宗派と、お供えの決まり
宗派によって、線香の本数や立て方、花の種類、お供えの作法が違います。分からなければ「分からない」で構いません。墓石の正面の文字(南無阿弥陀仏、倶会一処など)を伝えると、頼まれた側が見当をつけられます。
墓地の決まりも。「お供え物は持ち帰り」「造花は不可」「線香は所定の場所で」など、掲示があれば写真を送ります。
③名前の読み方と、誰のお墓か
家名の読み方(「川崎」は「かわさき」か「かわざき」か)、墓誌に刻まれた名前のうち、今回のお参りの中心になる方(命日の方、一周忌の方)。頼まれた側は、手を合わせるときに誰に向かっているかを知りたいものです。
④やってほしいことと、やらないでほしいこと
やってほしいこと:草取り、水拭き、花の交換、線香、お供え。どこまでか。「花立ての古い花は捨ててよいか」「隣の区画にはみ出した枝は切ってよいか」。
やらないでほしいこと:墓石をたわしでこする、洗剤を使う、水をかける(かけない宗派もある)、お供えを置いたままにする、隣のお墓に触る。「言わなくても分かる」は通じません。一行ずつ書いて渡すと、頼まれた側が楽です。
⑤写真で見たい場所
お参りのあとに写真をもらうなら、見たい場所を先に伝えます。正面全体、墓誌、花を供えたあと、傷みが気になる場所(傾き、目地、外柵)。「お墓の傷みのサイン」の記事に、5枚の撮り方を書きました。
写真は、次に頼むときの「場所の説明」にもなります。一度きちんと撮ってもらうと、二度目からが楽です。
⑥連絡の取り方と、報告の形
行く日時はいつか、当日の前後に連絡がほしいか、終わったあとの報告は電話か写真かビデオ通話か。親戚なら「終わったら写真を1枚LINEで」、サービスなら「ビデオ通話でつないで、あとで紙の報告」のように、形を決めておきます。
雨で延期するときの連絡先も。頼む側が出先で電話に出られないなら、メールやLINEと決めておきます。
⑦お礼と費用
親戚なら、お礼の形(現金か品物か、いくらか)を先に決めて伝えます。「近くの親戚にお墓の掃除を頼むとき」の記事に相場を書きました。サービスなら、料金に何が含まれるか(花代、線香代、交通費)を確認します。
お金の話を後回しにすると、頼まれた側は「言い出しにくい」まま、頼む側は「どうすればいいか分からない」ままになります。最初に一度だけ、はっきり話すのが、長く頼める関係の土台です。
つなぐのお参りでは
つなぐは広島県内のお墓へ伺い、清掃とお供えをしたうえで、ビデオ通話でご家族とご一緒にお参りする会社です。最初のお電話で、上の7つをこちらからお聞きします。場所が分からない場合は、手がかりから一緒に探します。お参りのあとは、当日の写真を大きく添えた紙のご報告をお送りしますので、次のお参りの「場所の説明」としてもお使いいただけます。
よくある質問
問:お墓の場所を自分も知りません。——答:「実家のお墓がどこにあるか分からない」の記事の手順で、お寺や親戚、役所から調べられます。場所が分かるまでは、頼む相手に「探すところから」とお願いする形になります。
問:宗派が分かりません。——答:墓石の正面の文字と、お寺の名前が分かれば十分です。分からなければ、宗派を問わない一般的な作法でお参りします。
問:7つ全部を伝えないといけませんか。——答:①の場所だけは必須です。あとは分かる範囲で。「分からない」も立派な情報で、頼まれた側が現地で判断する前提になります。
まとめ
お墓参りを頼むときに先に伝えるのは、①場所と区画の見つけ方(写真が一番)、②宗派とお供えの決まり、③名前の読み方と誰のお墓か、④やってほしいこととやらないでほしいこと、⑤写真で見たい場所、⑥連絡と報告の形、⑦お礼と費用。親戚でもお寺でもサービスでも同じ。
伝えることを紙に書いて渡す。それだけで、頼まれた人は迷わず、頼んだ人は安心して待てます。