つなぐ

お墓参りの手順——着いてから帰るまでの順番と、迷いやすいところ

順番は「整えてから、供えて、手を合わせる」。この一本の流れを覚えておけば、細かい作法で迷っても大きく外れません。

墓地の入口へ続く道と鳥居

2026.09.16 文・川崎 誠

久しぶりにお墓参りに行くとき、「まず何をすればいいのか」「お線香とお花はどちらが先か」と手が止まることがあります。子どもの頃は親の後ろについて行くだけだったので、自分が先頭に立つと意外と分からないものです。

この記事では、墓地に着いてから帰るまでの流れを順番にまとめました。宗派や地域、家ごとのやり方で細かい違いはあります。ここに書くのは、どの宗派でも大きく外れない基本の形です。迷ったらお寺や墓地の管理者に聞く、を前提にお読みください。

全体の流れ

順番は次のとおりです。①墓地の入口やお寺の本堂で一礼する ②お墓の前で手を合わせて挨拶する ③掃除をする ④水を手向ける ⑤お花とお供え物を供える ⑥ろうそくとお線香をあげる ⑦手を合わせてお参りする ⑧片づけをして帰る。

一言でいえば、「整えてから、供えて、手を合わせる」。掃除が先で、お供えとお参りが後です。

①②着いたら、まず挨拶

お寺の境内にある墓地なら、先に本堂に手を合わせてからお墓へ向かいます。霊園や共同墓地なら、入口で軽く一礼するだけで構いません。

お墓の前に着いたら、掃除を始める前にいったん手を合わせます。「来ました」の挨拶です。荷物を置いてすぐ掃除に取りかかる方も多いですが、この一呼吸があると気持ちが整います。

③掃除をする

まず区画の中の落ち葉や枯れた花、古いお線香の燃え残りを取り除きます。次に草取り。それから墓石を上から下へ水で流し、たわしや布で洗います。文字の彫りの中は歯ブラシが便利です。

花立てと香炉は取り外せる場合が多いので、外して中まで洗います。花立ての水は腐りやすく、においの元になります。最後に乾いた布で水気をふき取ると、水あかが残りません。

掃除の細かいやり方と道具は「お墓の掃除のやり方」の記事に、苔と草については別の記事にまとめています。

④水を手向ける

墓石の上部に水鉢(くぼみ)があれば、きれいな水を入れます。ないお墓なら、手桶の水を墓石にかけて清めるだけで構いません。

墓石に水をかけるのは「清める」意味と「故人ののどを潤す」意味があるとされ、一般的な作法です。ただし、お酒やジュースをかけるのは石のしみや変色の原因になるので避けてください。

⑤お花とお供え物を供える

花立てに水を入れ、お花を供えます。花立てが左右に二つあれば両方に、一束しかなければ片方だけでも失礼にはあたりません。茎は花立ての深さに合わせて切りそろえると、倒れにくくなります。

お供え物は、半紙や懐紙を敷いてその上に置きます。直接石の上に置くと、汁やあぶらでしみになることがあるからです。何を供えるかは「お墓のお供え物は何がいい?」の記事に書いています。

⑥ろうそくとお線香

順番は、ろうそくに火をつけてから、その火でお線香に火をつけます。ライターで直接お線香につけても間違いではありませんが、ろうそくがあると風の中でもつけやすいです。

お線香の火は、口で吹き消さず、手であおぐか、お線香を軽く振って消します。本数は宗派によって違い、一本、二本、三本、束のままなど様々です。分からなければ、束のまま横にして香炉に置く形で構いません。

風が強い日は火がつきにくいので、風よけのついたライターや、火をつけてから香炉に立てる順番を工夫してください。

⑦手を合わせてお参りする

お参りの順番は、故人と縁の深い人からが一般的です。家族なら年長者から、と考えておけば迷いません。

しゃがむか、腰を落として、墓石より目線を低くします。数珠があれば左手にかけ、両手を合わせて目を閉じます。声に出しても、心の中でも構いません。近況の報告でも、お礼でも、お願いでも、故人に話しかけるつもりで。

時間の長さに決まりはありません。数十秒でも、数分でも、その人が話し終わったときが終わりです。

⑧片づけて帰る

お供えした食べ物と飲み物は持ち帰ります。鳥や動物が荒らし、腐ってにおいと汚れの元になるからです。お花は残して構いません。

お線香とろうそくは、火が消えるのを見届けてから帰るのが安心です。急ぐときは、火のついたお線香を香炉の中に寝かせ、周りに燃えるものがないことを確かめてから。

掃除で出たごみは持ち帰るか、墓地の指定の場所へ。手桶やひしゃくを借りた場合は元の場所へ戻します。最後にもう一度お墓に一礼して帰ります。

迷いやすいところ

お花とお線香、どちらが先か。——お花が先です。お線香は火を使うので、お参りの直前にあげます。

掃除の前に手を合わせるのか、後か。——両方です。着いたときの挨拶と、整えた後のお参り。時間がなければ、後のお参りだけでも構いません。

水をかけるのは失礼ではないか。——一般的な作法で、失礼にはあたりません。「故人の頭から水をかけるようで」と気になる方は、手桶の水をひしゃくで足元からかける形もあります。

つなぐのお参りも、この順番で進めます

つなぐは広島県内のお墓へ伺い、清掃とお供えをしたうえで、ビデオ通話でご家族とご一緒にお参りする会社です。現地では、この記事の流れのとおりに、挨拶・掃除・水・お花・お線香と進め、手を合わせるところはご家族と画面越しにご一緒します。「うちはお線香を立てる」「お花は菊だけ」といった家ごとの決まりがあれば、事前にお聞きしてそのとおりにいたします。

よくある質問

問:手ぶらで行ってもいいですか。——答:構いません。手を合わせるだけでも、お参りです。お花やお線香は墓地の近くやお寺で買えることも多いです。

問:お参りの言葉に決まりはありますか。——答:ありません。宗派のお経や念仏を唱える方もいますが、「来ました」「ありがとう」の一言で十分です。

問:一人で行ってもいいですか。——答:もちろんです。誰と行くか、何人で行くかに決まりはありません。

まとめ

順番は、挨拶、掃除、水、お花とお供え物、ろうそくとお線香、お参り、片づけ。覚えるなら「整えてから、供えて、手を合わせる」。お供え物は持ち帰り、火は見届けて、最後に一礼。

細かい作法より、手を合わせる時間があること。それがいちばん大事なところです。

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