
2026.09.07 文・川崎 誠
遠くに住んでいて、次に来られるのは一年後かもしれない。生花を供えても、数日で枯れて、誰かに片づけてもらうことになる。それなら造花にしたい。でも、造花は失礼だと聞いたことがある。そんな迷いを持つ方は多いと思います。
つなぐは広島県内のお墓へ伺い、ビデオ通話でご家族とご一緒にお参りする会社で、基本のお参りでは造花をお供えしています。この記事では、造花についての一般的な考え方と、私たちが造花を選んでいる理由、選ぶときの心得をまとめました。
造花は失礼、と言われる理由
仏教では、生花を供えることに意味があるとされてきました。花がやがて枯れる姿に「すべてのものは移り変わる」という教えを重ね、生きた花を手向けること自体が供養だという考え方です。この考えを大切にする宗派やお寺では、生花が望ましいとされます。
また、寺院の中にある墓地や、一部の霊園では、管理上の理由から造花を認めていないところもあります。ですから「造花は絶対に失礼」なのではなく、「その場所と、そのご家庭の考え方による」というのが正確なところです。
造花が向いている場合
お墓が遠く、次に来られるまで間があく方。生花はすぐに枯れ、枯れた花がそのまま残るのは、かえって寂しいものです。造花なら、次のお参りまでお墓を彩り続けてくれます。
鳥や動物が多い場所。生花や食べ物は荒らされることがありますが、造花はその心配が少なくて済みます。
そして、お参りを人に頼む方。頼んだ相手が帰ったあとも、お花が残っている。写真で見るお墓に、色がある。これは想像以上に、気持ちを支えてくれます。
まず、お墓の管理者に確認を
造花を供える前に、その墓地・霊園で造花が認められているかを確認してください。公営や民営の霊園では認めているところが多く、寺院墓地では住職に一言うかがうのが安心です。つなぐでも、初めてのお墓では管理のルールを確かめてからお供えしています。
造花を選ぶときの心得
一つ目は、その方に合う色を選ぶこと。白は誰にでも静かに寄り添い、黄色はお墓を明るくし、青は空の色が好きだった方に。「生前は、どんな方だったか」を思い出しながら選ぶと、造花でも十分に心がこもります。
二つ目は、質のよいものを選ぶこと。屋外に置くので、色あせにくく、風雨に強いものを。安価すぎるものは、数か月で白っぽく色が抜けます。
三つ目は、交換の目安を決めること。色があせたり、形が崩れたりしたら替えどきです。年に一度、お盆やお彼岸に新しくする、と決めておくと迷いません。古い造花は持ち帰り、住んでいる自治体のルールに沿って処分します。
つなぐの造花について
つなぐの基本のお参りには、お花(造花)とお線香のお供えが含まれています。ご用意した造花の中から番号でお選びいただくか、「おまかせ」もできます。おまかせの場合は、お聞かせいただいたお話から、その方に合うお花を私たちが選び、選んだ理由を「お参りのご報告」に添えてお届けします。
生花をご希望の場合は、当日お立て替えしてご用意し、レシートをご報告に添えます。手数料はいただきません。造花か生花か、正解はありません。ご家族の気持ちに合う方を、一緒に考えます。
よくある質問
問:造花を供えると罰が当たりますか。——答:そのような考え方は一般的ではありません。大切なのは、手を合わせる気持ちです。
問:生花と造花を一緒に供えてもいいですか。——答:問題ありません。生花が枯れたあとも造花が残るので、遠方の方には組み合わせも一つの方法です。
問:造花はどのくらいで交換すればいいですか。——答:色あせや形の崩れが目安で、年に一度の交換をおすすめします。
まとめ
造花が失礼かどうかは、その場所とご家庭の考え方によります。遠方の方や、次のお参りまで間があく方には、造花が向いています。管理者に確認し、その方に合う色を、質のよいもので選び、年に一度は新しくする。それだけ守れば、造花は十分に想いを伝えてくれます。
花の素材より、そこに込める気持ち。私たちは、そう考えています。