
2026.09.09 文・川崎 誠
「お母さんが施設に入ってから、お墓のことが気になって仕方ないみたい」。遠くに住む子どもの立場で、そんな電話を受けたことはないでしょうか。これまで毎年お彼岸とお盆に欠かさず通っていた親が、足腰や体調の理由で施設に入り、お墓に行けなくなる。本人は口に出さなくても、気にしていることが多いものです。
この記事では、親が施設に入ってお墓参りに行けなくなったとき、遠くに住む家族に何ができるのかをまとめました。つなぐは広島県内のお墓へ伺い、ビデオ通話でご家族とご一緒にお参りする会社です。施設にいるお父さまと、ご自宅にいる娘さんと、お墓の三つの場所をつないだお参りも経験しています。
行けなくなった親が抱えている気持ち
施設に入った親がお墓を気にする理由は、単に「掃除ができていないから」ではありません。長年守ってきたお墓を自分が守れなくなった、という区切りを、本人がいちばん重く受け止めています。
だから「もう行かなくても大丈夫」「気にしなくていい」という声かけは、本人を楽にしないことがあります。行けなくなったのは体の都合であって、想いはそのまま残っている。そこを分かってもらえることのほうが、本人には安心につながります。
まずは「お墓、どうしてる?」と聞いてみてください。どこにあるのか、誰が眠っているのか、いつ行っていたのか。話してもらうだけで、親の気持ちは少し落ち着きます。
先に確認しておきたい3つのこと
一つ目は、お墓の場所と管理の状況。墓地の名前と区画、管理料をどこに払っているか、お寺との付き合いがあるか。親しか知らないことが多く、聞ける時に聞いておかないと、あとで困ります。
二つ目は、施設でできること。ビデオ通話に使える端末があるか、家族が通話を手伝いに行けるか、施設のスタッフに頼めるか。タブレットを持ち込める施設は多く、事前に相談しておくと当日がスムーズです。
三つ目は、親が「してほしいこと」。掃除をしてほしいのか、お花を供えてほしいのか、お墓の様子を見たいのか、手を合わせたいのか。人によって違います。全部でなくていいので、本人の言葉で聞いておくと、方法を選びやすくなります。
施設にいながらお墓参りをする方法
遠くに住む子どもが代わりに行き、写真や動画を送る。これがいちばん多い形です。ただ、子ども自身も遠方に住んでいたり、仕事や育児で年に一度も行けなかったりすることは珍しくありません。
もう一つは、お墓へ伺う人にビデオ通話をつないでもらい、施設にいる親がその場でお参りする形です。画面ごしにお墓を見て、お花が供えられるのを見て、手を合わせる。施設と、遠くの子どもの家と、お墓。三つの場所を同時につなぐこともできます。
つなぐでは、お墓の清掃とお供えをしたあと、お墓の前からビデオ通話をつなぎ、ご家族と一緒にお参りしています。以前、施設にいらっしゃるお父さまと、ご自宅の娘さんと、お墓をつないでお参りしたとき、「施設からお参りができたことを、父はとても喜んでいました」と娘さんが話してくださいました。お参りのあとには、写真と動画を添えた「お参りのご報告」をお届けするので、その日に通話に参加できなかったご家族にも様子が伝わります。
気をつけたいこと
当日の親の体調に合わせて、無理をしないこと。通話は10分程度でも十分で、長く話す必要はありません。
施設のスタッフに事前に一言伝えておくこと。通話の時間帯や場所を相談しておくと、当日あわてません。
そして、行けなくなったことを責めないこと。「行けなくてごめんね」と親が言ったら、「一緒に手を合わせよう」と返してあげてください。それだけで、お墓参りは続きます。
よくある質問
問:親がスマホやタブレットを使えません。——答:施設のスタッフやご家族が横で画面を持っていただければ大丈夫です。操作は必要なく、見て、手を合わせるだけです。
問:子どもの私は県外にいます。頼めますか。——答:はい。お墓が広島県内にあれば、お住まいは全国どちらでも構いません。ご相談はLINEやメールで、お見積りは無料です。
問:一度だけでも頼めますか。——答:はい。お彼岸やご命日など、大切な日に一度だけでも大丈夫です。年に3回伺う「年間見守り」もあります。
まとめ
親が施設に入ってお墓参りに行けなくなったとき、遠くの家族にできることは三つです。親の気持ちを聞くこと、お墓の場所と管理を確認すること、そして施設にいながらお参りできる形を用意すること。
お墓に行けなくなっても、手を合わせる場所はなくなりません。つなぐは、その場所を画面の向こうまで届ける仕事をしています。